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プロフィールに載らない裏話 PART2

いけちゃん

更新日:2024年10月6日

思っていたよりも時間がかかってしまったけれど、今になってみると、あの経験があったからこそ、今の自分があると感じたことはありませんか?

どうも。

作業療法士と鍼灸師のダブルライセンスを持つ、うれしや鍼灸院吉祥寺の池田です。


順風満帆そうに見える私ですが、意外や意外、すんなり作業療法士と鍼灸師のダブルライセンスとして活躍し、サクッと鍼灸院を開業に至ったわけではないのです。


それはなぜかというと…。



◇私の職務経歴書には作業療法士と鍼灸師、それぞれの経歴が有る理由。

さて、前回のお話では、作業療法士と鍼灸師になる以前、私は医療の仕事に少し迷いを感じていました。そんな中、希望を持って鍼灸養成校の夜学に通い始めたことについてお話しました。


今回は、その後、開業に至るまでの道のりは決して平坦ではなかったけど、その経験のおかけで今日があるお話です。



◇ダブルライセンスがゆえに思いがけない壁にぶつかる

はり師きゅう師の国家試験を無事にパスし、リハビリテーションと鍼灸を組み合わせた新しい治療に挑戦しようと意気込んでいた矢先、思いがけない壁にぶつかることになりました。


リハビリテーションと鍼灸を組み合わせる治療は、患者さんの状態を改善する上で大きな可能性を秘めていると考えていました。

そのため、就職活動では、両方のスキルを活かせる職場を探し求めていました。


しかし、現実は甘くありませんでした。


複数の病院やクリニックに就職活動を行いましたが、最終面接で必ずと言っていいほど、「作業療法士か鍼灸師のどちらか一方を選んでほしい」と言われました。

「両方の資格を持っているのだから、両方活かしたい」という私の希望は、なかなか叶いませんでした。


リハビリテーションに鍼灸治療を加えることで、患者さんの状態がより改善されると信じていた私は、とても残念な気持ちでした。



◇捨てる神あれば拾う神あり?

再び将来に迷える医療職になりました。(当時は無職だったので)

そんな姿を見かねた鍼灸養成校の恩師が、

「君は今までの作業療法士の経験で患者さんを診る能力は既にある。 

 君に足りないのは、鍼灸治療の経験だけだから。」

鍼灸治療を研鑽する場を与えてくださりました。

(その後、母校の非常勤講師・臨床指導者となります)


また無職でいたのを、在宅医療でお世話になっていた会社から、

「再び働かないか?」

と声をかけていただきました。


在宅医療で作業療法士として働き、鍼灸養成校の臨床室で鍼灸治療の研鑽を積むという日々を過ごすことになりました。


(ここから、吉祥寺に鍼灸院を開業するには、さらに数年かかります。)



◇与えられたチャンスは活かす

私の性格のいいところは、与えられた場所で出来ることは集中して行えることです。


鍼灸治療に関しては、多くの患者さんの治療にあたり、経験を積むことを心がけていました。


特に、私は作業療法士して病院勤務の際は手の外科を担当していたため、手を扱う職業の方、例えば音楽家の方の指の個別の動きへ鍼治療が症状の改善に貢献できたときには、大きなやりがいを感じました。


また、鍼灸治療をしただけでなくホームケアの具体的な運動方法のアドバイスをセットにすることで、患者様の症状の改善が見られることに手応えを感じていました。


ここで、私は一人一人と丁寧に向き合って治療したい気持ちが強くなったのは、言うまでもありません。



一方で、在宅医療では、様々なご家庭の状況や、退院後の生活を見てきました。


リハビリテーションと鍼灸治療を組み合わせることで、より良い回復が期待できるケースもたくさんありました。

しかし、診療報酬制度などの制約もあり、実際に治療を行うことはありませんでした。


理想と現実のギャップを感じながらも、予防医学の重要性を強く意識するようになりました。



のべ1万人の経験から学んだこと

吉祥寺で鍼灸院を開業するまでに、病院、介護老人保健施設、在宅医療など、様々な場所で1万人以上の患者さんと向き合ってきました。

作業療法士としての経験と、同時に多くの患者さんに鍼灸治療を行ってきた経験は、今の私の礎となっています。


特に、在宅医療の経験は、患者さんの生活環境や身体の使い方を深く理解する上で大きな影響を与えました。


病院や施設とは異なり、自宅では一人ひとりの生活パターンが大きく異なるため、その人に合わせた柔軟な対応が求められます。


例えば、あるご家庭では、狭くて段差のある部屋で生活しているため、トイレまでの移動動作が困難な方がいました。


その方の場合は、ご利用者様のからだの使い方と自宅の環境に合わせて、福祉補助具の導入や、具体的な運動方法を指導することで、生活の質を改善することができました。


こうした様々な経験を通して、私は「理想」と「現実」のギャップを埋めるために、臨機応変な対応力と、患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢の大切さを学びました。



◇まとめ

吉祥寺で開業に至る前、作業療法士と鍼灸師の両方のスキルで働ける場所が見つからず、なかなかリハビリテーションと鍼灸を組み合わせた新しい治療の良さを発揮できる機会に恵まれませんでした。


しかし、私は母校での非常勤講師を務めつつ鍼灸治療の研鑽を深め、一方で、在宅医療の現場で作業療法士として働きながら、リハビリテーション×鍼灸治療のスキルアップに励みました。


当初は遠回りかと思ったことも、実は開業しお客様のために必要なことを拾っていく過程だったと、今は実感しています。



様々な経験を経て、私は一人ひとりの患者さんと向き合い、その方に合った治療を提供することの大切さを学びました。


これからも、皆さまの健康をサポートできるよう、精進してまいります。

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