川瀬巴水 旅と郷愁の風景@サントミューゼ・上田市立美術館
- いけちゃん
- 9月27日
- 読了時間: 4分
更新日:9月29日
どうも。
作業療法士と鍼灸師のダブルライセンス、うれしや鍼灸院 吉祥寺の池田です。
さて、季節は芸術の秋なりましたね。
私は芸術にはあまり詳しくはないのですが、私にとって、美術館は新しい発見の場所であり、皆様の健やかな生活を支えるための、豊かな時間なのですね。
ということで、先日、『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』@サントミューゼ・上田市立美術館へ行ってきました。
「川瀬巴水」、聞き慣れない名前かもしれませんね。
ですが、雪が降りしきる中、増上寺の前で傘をさしている浮世絵をご覧になったことはありませんか?
実は、それこそが巴水の代表作の一つなんです。
私が川瀬巴水を知ったのは、数年前。
お客様との会話で、「スティーブ・ジョブズがコレクションしていた浮世絵」の話を伺ったのがきっかけでした。
その時はSOMPO美術館へ足を運び「色合いが素敵な浮世絵だなあ」という程度の関心だったのですが、今回あらためて作品と向き合い、その奥深さにすっかり心を奪われてしまいました。
やはり、今回も同様に心惹かれたのは、同じ場所を異なる時間帯や天候で描いた連作です。
「出雲松江」という作品は、曇りの日、三日月、満月を同じアングルで描いており、それぞれの光や色合いが移り変わる様子が何とも言えず美しくて。
その細やかな表現に、いつの間にか時間を忘れて見入っていました。
◇奥深さの先に、見えてくるもの
川瀬巴水の作品は、本人が日本中を旅してデッサンし、それを基に浮世絵にしています。
そして、その一枚一枚が、何十枚もの版木を彫り、何十回も色を重ねて刷る、という気の遠くなるような工程を経て完成します。
以前の私は、目の前にある作品を、ただ「好きか嫌いか」という感覚で絵を鑑賞していました。
でも、この年齢になって、たくさんの作品を見るようになると、その絵の背景にある「見えない工程」にまで思いを馳せるようになりました。
作家がその作品と向き合った心理状態や、デッサンや下絵、筆の動き、色の重ね方…その一つひとつの積み重ねを想像すると、作品がより一層、深く感じられるのです。
この感覚は、私が得意とする「動作分析」にも通じるものがあります。
動作分析は、単に「動きを見る」ことではありません。
人が生活を営む上で、必要な動作や行為。
その動きをするために、筋肉や関節がどう働き、何が原因で不調が起きているのかを、皮膚の下で起きていることまで推測していく、いわば「見えない工程」を探求する作業です。
そして、同じような動作であっても、人によって必要な場面や状況は、それぞれ異なります。
この工程を丁寧に紐解くからこそ、その方に最適なアプローチを導き出すことができます。
◇変化を恐れず、常に進化し続ける
とは言え、私が美術鑑賞をしているときは、そうした専門的なことは一切意識せず、ただただ作品と対峙する時間を楽しんでいます。
その一方で、自分の内に確かな知識があるからこそ、目の前にあるものを深く、多角的に見れるようになるのは、とても興味深いことです。
そして、その奥深さに触れる時間は、日々の治療をより良いものにするための、大切なヒントやアイデアを与えてくれます。
今回の川瀬巴水の作品にも、版木に偶然傷がついたことから雨の表現がより多様に出来るようになったことや、買い手の層を鑑みて色合いを鮮やかに変更したことなど、表現者として作品をより良くするために常に試行錯誤していることに気付かされました。
これは、またまた治療への大きなヒントと気付きを私に与えてくれました。
繰り返すようですが、私にとって、美術館は新しい発見の場所であり、皆様の健やかな生活を支えるための、豊かな時間です。
これからも、皆様の身体と向き合い、常に最善の治療を提供できるよう、私自身も日々進化し続けていきたいと思っています。
当院の治療が少しでも皆様の「活動的な日々」の一助になれば嬉しいです。
おあとがよろしいようで<(_ _)>
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